FXの「両建て」とは?そのメリット・デメリットと注意点を徹底解説

2025年1月2日 FXの基本
FXの「両建て」とは?そのメリット・デメリットと注意点を徹底解説

FXやCFDのトレードで、リスクの管理や損失の回避のために用いられる「両建て」という手法をご存じでしょうか?
両建てとは、同じ通貨ペアの買いポジションと売りポジションを同時に保有することで、相場の変動にかかわらず利益や損失を調整しやすい特徴があります。

しかし、両建てにはメリットだけでなくデメリットや注意すべき点もあり、計画的に行わないと損失を出してしまうリスクもあります。
この記事では、両建ての基本からメリット・デメリット、注意点までを詳しく解説し、安全に取引を行うためのヒントをご紹介します。

両建てとは?

両建てとは、たとえばUSD/JPYの買いポジションを保有している状態で、同じUSD/JPYの売りポジションを同時に保有することをいいます。
この方法は、長期でどちらかのポジションを持っており、一時的な逆行の場面でのリスクヘッジや、含み損を抱えているポジションを維持しながら利益を確定したいときなどに活用されます。
両建てを利用することで、相場の動きにかかわらずポジションを一定に保ちながら、取引を行うことが可能です。

両建てのメリット

1. リスクヘッジとして使える

両建ては、リスクヘッジとしての役割を果たします。特に、相場の動きが読みにくい経済指標発表や政治的な要因がある場合に、両建てを行うことでポジションの損益が相殺され、リスクを抑え含み益を維持した状態で相場を観察できます。

2. 含み損を確定させずに利益を確保できる

たとえば、買いポジションを持っていて相場が下がった場合、売りポジションを追加で持つことで利益を確定することが可能です。
このとき、買いポジションの含み損を確定させることなく、一部の利益を確保できるため、資金の管理がしやすくなります。

3. 損失を最小限に抑えられる

相場が急変するリスクが高まる場合に、反対のポジションを保有しておくことで、一時的に損失を抑えることができます。
市場が安定するまでのリスク軽減策として両建てを行うことで、損失の拡大を回避することができます。

両建てのデメリットと注意点

1. スプレッドやスワップのコストがかかる

両建てを行うと、買いポジションと売りポジション両方にスプレッド(取引手数料)がかかるため、取引コストが通常よりも高くなります。
さらに、両建てを長期間保有すると、通貨ペア間の金利差であるスワップポイントによるコストが発生し、日数が経過するごとに損失が積み重なる可能性があります。

2. 利益の機会を逃す可能性がある

相場が大きく動いて利益を得る機会があったとしても、両建てによってポジションが固定されている場合はそのチャンスを逃してしまうことがあります。
特に長期間両建てを行っていると、適切なタイミングでポジションを解消できず、相場の変動を活かせないこともあります。

3. 管理が難しくなる

両建ては同時に買いと売りのポジションを持つため、複数のポジションを適切に管理する必要があります。
特に相場が大きく動いている際には、損益が変動しやすく、どちらのポジションを先に解消するかなどの判断が難しくなるため、ストレスがかかる場合もあります。

4. ブローカーの規約違反に注意

一部のFX/CFDブローカーでは両建てが禁止されている場合や、特定の条件下でのみ使用が許可されている場合があります。
ブローカーの利用規約に違反すると取引無効や口座凍結のリスクもあるため、事前に両建てに関するルールを確認しておくことが大切です。

両建てを行う際の注意点

1. コストを意識したトレード計画を立てる

両建てには通常よりも取引コストがかかるため、スプレッドやスワップポイントを含めたトレード計画が必要です。
短期間で解消できない場合、スワップポイントによるコストが積み重なり損失が増えることがあるため、どの程度の期間で両建てを解消するかも考慮しておきましょう。

2. 利用するブローカーの規約を確認する

ブローカーによっては両建てが禁止されている場合もあるため、利用規約や取引条件をしっかり確認しましょう。
特に両建てが禁止されているブローカーでは、規約違反となると口座が凍結される可能性もあるため注意が必要です。

まとめ

FX取引における「両建て」は、リスクヘッジや含み損の回避といったメリットがある一方で、取引コストが増加しやすい点や、管理が難しくなるデメリットもあります。
また、ブローカーによっては両建てが禁止されている場合もあるため、事前に利用規約を確認し、計画的に両建てを行うことが大切です。

両建てを有効に活用するためには、取引コストやスワップポイントなどの費用を計算し、明確なトレード戦略を立てることが重要です。
また、リスクを軽減しながら、利益を確保するためには、エグジット戦略も事前に決めておくことを心がけましょう。
この記事を参考にして、両建てのメリットとデメリットを理解し、取引計画に活用してください!